一般的に言われている『窓開け換気のメリット』は以下の通りです。
今
先日、「窓を開けたい」という方に出会いました。
季節に関係なく、可能であれば窓を開けて室内に新鮮空気を採り入れたいそうです。
でも新鮮空気なら、換気システムが常時採り入れています。
わざわざ窓を開けなくても大丈夫ですよ。
そう言うと
「よくわからないけど、やっぱり自然の風が良いと思う。」
との事。
ちなみに一般的に言われている『窓開け換気のメリット』は以下の通りです。
- ①結露・カビの発生を防げる
- ②ウイルスの滞留を防げる
- ③シックハウス症候群を防げる
- ④室内の臭いを早く消せる
- ⑤アレルギー症状の発生を防げる
- ⑥冬場なら一酸化炭素中毒を防げる
- ⑦建物の劣化スピードを軽減できる
①から⑦まで、全て正しいと思います。
室内の空気を入れ替える事で、室内空気に含まれる汚染物質を希釈できるからです。
もちろん窓を開ける事で、キチンと室内空気が外気と入れ替わっていればの話です・・・。
残念ながら、窓を開ければ外気がキチンと入ってくる訳ではありません。
風向きと窓の配置や数によって、風の流れは変わります。
換気の基本は寝室等の人の滞在する場所に、必要量の新鮮空気を採り入れる事。
そして汚染源であるトイレや浴室から、汚染空気を排出する事です。
重要なのは出口と入口を明確にし、空気の流れをつくる事。
ちなみに換気量の目安は、2時間に一回家中の空気を入れ替えるとされています。
でも空気が勝手に出入りしているだけではダメなんです。
例えば浴室やトイレの空気が室内に逆戻りなんて事もあります。
浴室やトイレの窓を開けていれば、そこに風が入る事もあるでしょ?
入った風は廊下を通じて、寝室やリビングに抜けます。
この際に不必要な湿気や、臭い・カビ等の汚染物質を運んでしまいます。
つまり換気として機能していない事もある訳です。
風向き次第で換気できない!
これを理解する事が重要です。
その点、換気システムであれば安心でしょ!
正しい換気設計が行われ、正しい換気施工が施されていれば、いつだって機能しています。
窓開け換気と24時間換気の併用を勧める方もいるようですが、これも中々微妙な提案だと思います。
換気システムの風量って驚くほど小さいから、窓開けを行えばほぼ機能しません。
モーターが回っていても、窓からの風に負けてしまうんです。
また、せっかくお風呂やトイレから排出した汚染空気が窓から戻ってくる可能性もあります。
空気って見えないから、新鮮な空気か汚い空気かわからないんですよね・・・。
窓開け換気をするのであれば、せめてCO2センサーを常備して欲しいと思います。
そしてCO2の量が多い時は、窓の開け方を工夫してください。
場合によっては窓を閉め、換気システムの風量を上げる事も有効です。
窓の役割は換気だけではありません。
例えば外の爽やかな空気を入れる事で、室内を涼しく爽やかな環境にする事も出来ます。
エアコンの使用を控える事が出来るので、省エネにも繋がる訳です。
でも、その際には外気の状況を確認する事をお勧めします。
爽やかな空気でなければ、採り入れる事で室内環境が悪化する事もあるからです。
例えば、昨日の朝の気温は25℃でした。
でも湿度は100%になっていました。
これって絶対湿度が20.09g/kgDAもあるんです。
涼しいと思い窓を開ければ、こんな空気がたっぷりと入って来ます。
気温だけ低くても快適とは言えません。
窓開けを踏まえた換気・空調計画って、メチャクチャ難しいんですよね・・・。
だから、こんな風に予防線を張りたくなります。
窓を開けても構いません。
でも、ご自分で室内環境を管理してください。
湿度が高くなり、カビが生える事もありますよ・・・。